「作曲」と「編曲」の違いとは?【恐るべき!音楽業界の裏事情】

 「作曲」「編曲」の違いについて、上手く説明できない方もおられると思います。音楽業界の恐るべき!裏事情を交えてこの疑問に答えていきます。

1.作曲=「メロディ」(+コード進行)を作ること

 まず、作曲とはメロディを作ることです。メロディとは、曲を聴いた時に一番耳に残るパート(主旋律)のことです。ボーカルパートなどがそれに当たります。

「メロディ」の例)

 

 メロディを鼻歌で歌っただけでも作曲と言えます。しかし、多くの場合、メロディに加えて、コード進行も合わせて考えることを作曲と呼ぶことが多いです。コード進行は、和音(複数の音の重なり)を並べたものになります。

「メロディ」+「コード進行」の例)

 

 ただ、これだけでは、普段耳にする曲とはまだまだ程遠いですよね。そこで登場するのが編曲です。

2.編曲=メロディに「伴奏」をつけること

 編曲は、メロディに様々な楽器を加えて伴奏をつけることです。バンドで言うと、ギター、ベース、ドラムなどが代表例です。

「編曲」の例)

 

 実は、メロディが同じでも、編曲(アレンジ)によって曲の印象は大きく変わります
例えば・・・、

・ピアノのみの「ピアノアレンジ」
・オーケストラ風の「オーケストラアレンジ」
・バンド演奏風の「ロックアレンジ」
・オルゴール風の「オルゴールアレンジ」
・電子音バリバリの「テクノアレンジ」

などなど…、様々なアレンジが考えられます。メロディを活かすも殺すも、編曲次第と言っても過言ではありません。

3.「作曲者」と「編曲者」に求められるものは違う

20150219_flute

 作曲者と編曲者に求められるものは、それぞれ異なります。

作曲者に求められるもの

 作曲者には、「センス」(キャッチーで、人の心をつかむメロディを作ること)が求められます。作曲者がよく「メロディが降ってきた」と言うように、運だったり、その人の趣向によって、生み出されるメロディが大きく変わってきます。

 知識があれば(音楽理論をしっかり学べば)、良いメロディが必ずしも浮かぶわけではないのです。良い作曲者になるには、たくさん良いメロディを聴いて、センスを磨いていくことが必要になります。

編曲者に求められるもの

 編曲者には、「知識」や「経験」が求められます。

 上記で様々な編曲(アレンジ)例を紹介しましたが、編曲の種類ごとに、どの楽器を使えばよいか、どんなリズムで、どんなフレーズがそのアレンジに合うかなど、ある程度法則性があるのです。

 高度な編曲技術を求められる、代表的な例がオーケストラアレンジです。

・楽曲の構成(曲の流れ・展開)
・使用楽器(フルート、クラリネット、トランペット、チューバ、ティンパニ、…)
・楽器の音域(同じトランペットでも、パートごとに音域が異なる)
・演奏方法(レガート、トリル、スタッカート、…)
・楽器の配置(客席から向かって左側が高音、右側が低音など)
・きれいな音の重なり方(和声)
・音と音の掛け合い(対位法)

などなど、非常に高度な編曲技術が求められます。これらはセンスよりも、知識や経験の蓄積が重要なのがお分かりだと思います。

4.「編曲者」は冷遇されている

20150219_zanen

 編曲は曲の印象を決定づける重要な作業ですが、残念ながら、日本の音楽業界では編曲者は冷遇されているのが現状です。

編曲者には印税がない

 作詞者や作曲者は、曲がヒットすると、印税という形でお金が継続的に入りますが、編曲者には、印税がありません。編曲者は、編曲時に一度限り(買い取り)の報酬となります。その後、編曲した曲がいくら大ヒットしても1円も入ってこないのです。

 その理由は、作曲で生み出されたメロディは、オリジナルという扱いになりますが、編曲したものは、二次創作物という扱いになるからです。編曲だけで食べていくには、数をひたすらこなすしかなく、かなり困難です。

 多くの場合、作曲も含めた「作編曲者」として活動されている方が多いです。

編曲者は目立たない

 曲が流れる際、アーティスト名、作曲者、作詞者は目立ちますが、編曲者は二次創作者の扱いのため、優先度も低くあまり目立ちません。音楽業界にいて、編曲を依頼する立場の人であれば編曲者についても詳しいかもしれませんが、一般の大半の人は、意識することがないと思います。

まとめ

・作曲=メロディ(+コード進行)を作ること
・編曲=メロディに伴奏をつけること
・作曲者にはセンスが求められ、編曲者には知識・経験が求められる。
・編曲者は目立たない。印税も無いため、編曲のみで生きていくのは厳しいのが実情。

 ちなみに、今回、「メロディ」の例→「編曲」の例としてご紹介した楽曲の完成版は、ニコニコ動画で視聴可能です。