「ポルタメント」と「グリッサンド」の違いとは?【動画付で解説】

 違いが分かりづらい「ポルタメント」「グリッサンド」の違いについてご紹介します。いずれも2音間をつなげるという点では似た演奏技法ですが、若干意味合いが異なります。

1.「ポルタメント」とは

 ポルタメント(portamento)とは、音を滑らかに繋ぐ演奏技法です。2音間を、序盤はゆっくり、後半で一気に変化させて、次の音に着地させます。一定の速度で変化させるのではなく、抑揚をつける点がポイントです。

 感情的に演奏される場合に使われますが、使いすぎたり、ゆっくり変化させ過ぎたりすると、くどくなります。ここぞというところで、効果的に使うことで、活きる演奏技法です。

(1)ポルタメントの楽譜表記

 斜めの波線または斜線で書かれます。作曲者がポルタメントであることを明記したい場合に「portamento」または「port.」と書きますが、省略される場合もあります。

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(2)ポルタメントの演奏例

 ポルタメントは、主にボーカルや笛、弦楽器(バイオリン、三味線等)、トロンボーンで使われます。次の動画は、笛で演奏する例ですが、情感豊かに演奏できていることがわかります。特に、インド・中国音楽では、多用されます。

3.「グリッサンド」とは

 ポルタメントと近い演奏技法にグリッサンド(glissando)があります。2音の間にある音を、一定の速度でスライドして弾くのが特徴です。

(1)グリッサンドの楽譜表記

 ポルタメントと同様に、斜めの波線または斜線で書かれます。「glissando」「gliss.」と文字を書くことで、グリッサンドであることを明記できますが、省略される場合もあります。

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(2)グリッサンドの演奏例

 グリッサンドは、主に鍵盤楽器(ピアノ、オルガン)や木琴、鉄琴で使われます。鍵盤楽器で演奏時は、指(親指・中指・薬指等)の爪を使用します。黒鍵のみ、白鍵のみ、両方を使う場合があります。

3.「ポルタメント」と「グリッサンド」の違い

 「ポルタメント」も「グリッサンド」も2音を滑らかにつなぐ際に使用します。

 ただし、「ポルタメント」は、変化時に速度が変動しますが、「グリッサンド」は等速変化するのが違いです。前者は、無段階で非常に滑らかにつなげられる声や弦楽器などで登場する場合が多く、後者は、有段階でしか繋げられない楽器(ピアノ等)で主に登場する場合が多いようです。

 ただし、どこまで「ポルタメント」で、どこから「グリッサンド」と呼べるかは厳密ではなく、かなり類似した演奏技法と呼べます。